2016年 02月 24日
ミラー放棄:シグマの新カメラ
撮像素子に2種類の大きさがあって、クロップ係数1.5のAPS-C版と 同1.35のAPS-H版があります。画像はAPS-H版のもの。
前機種は普通のAPS-Cデジタル一眼レフ、つまりミラー内蔵タイプだったのですが、今回ミラーレス機となっての登場です。
独特の形状ですが、グリップ下部の切り欠きのような部分を埋めるようにデザインされた縦位置グリップが用意され、それを装着すると合計3個のバッテリーで駆動できるそうです。シグマのカメラ 電力の消費大きいですから...
上から見るとミラーレス機にマウントアダプターを取り付けたような形状です。一眼レフの形式を放棄したのは・・・?
1. ミラーを高速に駆動し安定したAFを実現するにはノウハウの膨大な蓄積が必要とされ、もはやニコンやキヤノンに追いつくことはシグマ含め各社不可能
2. ミラーを駆動させることはメカニカルなブレの発生要因になり、今後高画素数のカメラにとっては排除すべき要素になる
3 一眼レフ形式のAFでは 周辺部のAF精度に問題があることが多く、ミラーレス機では原理的にそれが解決される
4. 光学ファインダーを放棄することで重量が軽減でき、またファインダー視野を大きくすることができる。カメラの高さも抑えられる。
5. EVFはホワイトバランスを撮影前に確認できる。また拡大表示を用いればMFでのピント精度も光学ファインダーではとても追いつけないほど高くなる。アスペクト比の変更にも自在に対応可能。
6. 今後レンズ後部をカメラ本体に埋め込むタイプの交換レンズも設計可能、特に広角系レンズでの設計の自由度が大きくなり 小型の広角レンズが設計可能(望遠系レンズでは メリットは無い)
....などを考えてのことでしょうか。
ただデザイン上少し違和感があるのが EVFの位置です。レンズ光軸のほぼ真上にアクセサリーシューがあり、その右側にEVFが位置しています(背面から見て)。
右目で覗く人には違和感が少ないと思いますが、左目で覗く人はかなり窮屈なカメラの保持を強いられそうです。
アクセサリーシューの左側にEVFを持ってくれば、左目で覗く人にも快適に操作できそうなのですが、内部パーツの配置上の困難があるのでしょうか?
* 画像はデジカメWachから借用しました。こちらに記事があります。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20160223_744825.html
ニコンからD5とD500、キヤノンからは1DXIIと80D、オリンパスからデジタルPen F、パナソニックからGX8、ペンタックスからK-1と
各社魅力的なレンズ交換式デジタルカメラが続々発表/登場していますが、これらは全て従来製品の改良版、延長線上に存在するに過ぎません。
個人的にはシグマのこの製品に一番強いインパクトを感じました。
シグマという会社は 一昨年登場のdp* quattroシリーズから「カメラの形状について既存の固定概念を捨てる」というポリシーを持ったようで
特にこのカメラはこれからのレンズ交換式デジタルカメラの有り様を示唆しているようにも思えます。
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このカメラ シグマSAマウントだけでなくEOSマウントバージョンも出せば 断然売れるのに!
EOSマウントの交換レンズ、既にシグマから何百万本も出ているだろうし。キヤノンやタムロンのEOSマウントレンズとの完全互換性(*)は保証しなくてもいいと思う。
* 歪曲補正や軸上色収差の自動補正などに関して。