2009年 03月 01日
新旧ELニッコール50ミリf2.8の怪?
「新旧ELニッコール 50ミリf2.8の不思議」とした方がよろしいようです。
左が新、右が旧ELニッコール50ミリf2.8 です。
f値が同じであるにもかかわらず、新ELニッコール50ミリf2.8の方が前玉が大きくなっています。
旧タイプで約25ミリ、新タイプで約28ミリです。
ちなみに撮影用の「Aiニッコール50ミリf2」の前玉径が約27ミリです。
結構ゆったりした設計になっているようです。
コーティングも旧タイプがアンバー系の単層、新タイプはマルチコーティングですね。
後玉も新タイプの方が大きいですね。
レンズの全長はそれほど変わらないようです。
作りは 旧タイプが金属外装で重厚感が在ります。新タイプはプラ外装でその点はちょっと残念です。
ただし レンズ指標位置を回転させることが出来ますので、撮影用に使用する際も常に絞り指標が真上に来るように取り付けられるのは便利です。
で 何が「不思議」なのか・・・?
この2つのレンズ 焦点距離とf値が同じであるにもかかわらず、バックフォーカスが異なる んです。
まあバックフォーカスが変わっても 引き伸ばしレンズとして使う分には支障はありません。しかし 撮影に使う場合には レンズとボディの間に挟むヘリコイドリングの厚みが変わってきます。
この画像は、BORGの#7842という中厚のヘリコイドリングと旧タイプELニッコール50ミリf2.8を組み合わせたものです。この状態で無限遠から近距離までピントが来ます。(ただし、ヘリコイドリングに付属しているM42のワッシャーを取り外す必要があります。これで光路長が2ミリほど短縮されます)
ところが この組み合わせを新タイプELニッコール50ミリf2.8に適用すると、約2mから以遠にピントが来ません。なので 新タイプELニッコール50ミリf2.8を使って遠方も撮影しようとすると、一番薄い#7840のヘリコイドリングと組み合わせる必要が出てきます。
結局 BORGのヘリコイドリング、3種類の厚さを全部揃えてしまいました (^^;)
なお フジノンE50ミリf3.5については 最薄のヘリコイドリングを使っても 1.2mくらいから遠方にはピントは来ません。近接撮影用途専用ですね。